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Meister interview vol.12 〜 BROSENT 本間俊光さん 〜

革靴、皮革製品や靴磨きなど、足元のお仕事に携わっている方はもちろん、
ファッションや皮革に精通しているプロフェッショナルな方々を、
M.MOWBRAY シューケアマイスターがインタビューし、ご紹介する企画です。

様々な方へのインタビューをする中で改めて感じたのが、革靴の愉しみ方は千差万別だということ。
光沢、木型、履きジワ、服との合わせ方など、靴によって、またそれを履く方によって、
人それぞれ、その人なりの愉しみを見つけることができます。

その中でも、数多くの革靴好きが魅了されるのが、
ミュージアムカーフやパティーヌ技術に代表される、皮革の濃淡。

巧みな染色技術によって生み出される濃淡ある革は、
お手入れによりさらに深みや味わいを増すということもあり、
我々マイスターの工房でもお持ち込みが絶えない人気のアッパー(甲革)素材の一つです。

今回は、そんな革の染色、リカラーやメンテナンスに精通し、
オーダーシューズの販売も手掛けているという目黒のお店、
BROSENT(ブロセント)の 本間俊光さんにお話を伺いました。

 


 

Q(マイスター 以下:マ).現在のお仕事をすることになった経緯について教えてください。

本間さん

前職では20年以上勤めていました。

長く勤めれば当然立場上責任者や教育をする立場になりますが、
まだまだ「やりたいこと」や「やってみたいこと」があり、
自分自身の成長や可能性を伸ばすためには、新しい環境を作ることが必要だと感じました。

そこで、どこかに勤めるのではなく独立して自分の店舗を持つことにしたんです。

マイスター

20年以上居た環境からの新たな挑戦というのも、とても思い切った決断ですね。
本間さんの革や染色といったジャンルへの強いこだわりや情熱も感じます。

独立後の新しい環境で行っているという現在のお仕事では、どんな点に魅力を感じますか?

本間さん

やればやるだけ技術力や表現力が向上するところですね。
45歳になってもまだまだ成長できる余地を感じられるところに、やりがいを感じます。

マイスター

革の染め、リカラーなどのジャンルには非常に奥深い部分がありますし、
技術力や表現力に関しては常に高みを目指すことができるんですね。

数々の靴と向き合い作業を行ってきた中で、
本間さんが乗り切るのに苦労した瞬間や印象深い作業はありましたか?

本間さん

絵画や風景をイメージした抽象的な染色を求められたときですね。
見本や正解がない状態から感覚だけで行う作業には最初とても苦労しました。

印象深いのもそのような作業で、
「ゴッホの有名な絵画『星月夜』のイメージでオーダーシューズの染色をして欲しい」
というご依頼を頂き、色合いや雰囲気を近づけながら1足の靴として仕上げさせて頂いたことです。

それを機になにか吹っ切れたのか、
難しい様々なご依頼にも前向きにチャレンジできるようになりました。

マイスター

絵画のイメージを靴に落とし込むというのは染色技術ももちろんですが、
本間さんが仰るような感覚や想像力も強く求められる、非常に高難易度な作業ですね。

深く、高い技術力が求められる作業や、様々なお客様たちと向き合う中で、
本間さんが意識している座右の銘や、なにか心がけていることはありますか?

本間さん

座右の銘は「習うより慣れろ」ですね。
実際に人に頼っても自分の手でやらないと覚えられません。

誰に対しても偉そうにせず、謙虚な姿勢も心掛けています。

マイスター

謙虚な姿勢はもちろんですが、
実際に手を動かさないと覚えられないことが多いというのは、
我々マイスターにも通ずる部分がありますね。

ゴッホの有名な絵画『星月夜』をイメージして実際に作られたオーダーシューズとベルト。

空を表すブルーのスエードと、月や星を表すカーフ素材。
手作業で丁寧に染色されたカーフ部分には、
ゴッホの絵画同様の奥行きある色合いを感じ取れる。

BROSENTにて人気の高いオーダーベルトも、
色合いやデザインのソースを揃えることで、さらに満足度高く着用することができる。

 

Q(). 数多の靴を見てきた本間さん、現在靴は何足ほどお持ちですか?

本間さん

今は20足ほどですね。
50足ほど持っているときもありましたが、後輩や知り合いに譲ってしまいました。

マイスター

50足もお持ちの時期があったんですね。
思わず並んだところを見てみたくなります。

お気に入りの一足や、よく履くブランドの靴などはありますか?

本間さん

今持っているものは全部気に入っているので、一番は選べないですね(笑)

ブランドには興味がなく、知り合いの職人さんやデザイナーさんの靴を履いています。

マイスター

残した靴が全てお気に入りというのは、
日々のローテーションもとても楽しく組むことができますね。

革靴に精通している本間さんは、
お気に入りの、大切な靴を長く履くために必要なお手入れや保管でこだわりなどありますか?

本間さん

お手入れに関しては、あまり余計な事はせずナチュラルに仕上げるようにしています。
M.MOWBRAY アニリンカーフクリームが昔から1番好きで、それを使用することが多いですね。
ケアは1回に集中して行うのではなく、マメに行うことが大切だと思います。

一応、すべての靴にはシューツリーを入れているくらいで、
保管に関しては特にこれと言ったこだわりがないです。

” 物を大切に “=「しまい込む」「あまり使用頻度を高めない」
という感覚を持っていないので、
傷んでも傷んだなりに、修理ができるところは修理して、
気にせず好きなようにたくさん使っています。

マイスター

アニリンカーフクリームは名作ですよね。
かなりのロングセラー商品ですが、リピーターの方も多いですし、
新しくケアを始めたいという方にも非常に気に入っていただけています。

最後に、靴を選ぶ際のこだわりや、オススメの靴などがあれば教えてください。

本間さん

余り流行りには興味が無いので自分が好きなものを好きなように身に着けてます。

以前は爬虫類の革を使用した靴が好きでよく履いてましたが、
今はボリュームのある靴があまり好きではないので、
足元がスッキリと見える靴を好んで履いてます。

オススメの靴はウチ(=BROSENT)の靴です。
自分で言うのも何ですが、木型含めて正直かなり良く出来てると思います。

マイスター

BROSENTの靴は素材使いも木型もとても目を惹く、素敵な靴ですよね。

我々マイスターの工房にも度々お持ち込みいただきますが、
佇まいが魅力的で、経年変化も美しいなと感じる靴ばかりです。

今回はお忙しい中、ありがとうございました。

 

BROSENTのオーダーサンプル。

サイズやデザインを組み合わせて自分だけの一足を作ることができる。
手染めにより奥行きある表情を見せてくれるカーフ素材はもちろん、
コードバン、シャークスキンや象革など、豊富な素材のラインナップも革靴好きには堪らないポイント。
(※一部素材に関しては時期により在庫のご用意が無い場合もございます。予めご了承ください。)

 


 

インタビューの内容は以上となります。
本間さん、お忙しい中ありがとうございました。

マイスターとしても、さまざまなお客様の声をお伺いしてきましたが、
「絵画を靴のデザインに」というオーダーを聞いたのは初めてでした。

また同時に、お客様のオーダーを見事に再現していた
本間さんの巧みな技と確かなセンスにも唸る部分がありました。
いつか、なにかのご縁で磨くことができたらと感じます。

様々な魅力が詰まったBROSENTさん。
インタビューを見てお店の情報が気になったという方は、
イベントやオーダーに関する情報を下記店舗情報内のHPやSNSから見ることができます。
豊富な染めやリカラーの事例もたくさん紹介されているので、革靴好きは必見です。

次回もお楽しみに。

BROSENT(ブロセント)

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