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Meister interview vol.10 〜 フォルムアイ 赤池俊助さん 〜

革靴、皮革製品や靴磨きなど、足元のお仕事に携わっている方はもちろん、
ファッションや皮革に精通しているプロフェッショナルな方々を、
M.MOWBRAY シューケアマイスターがインタビューし、ご紹介する企画です。

大切なものを、長く使う。
革靴や革小物など、日常の中で使うものを長持ちさせたいと、
我々マイスターのところにも日々お客様から多くのお問い合わせが舞い込みます。

さて、大切なものを長く使うといえば、衣服のイメージがある方も居るかもしれません。
世代を超えて受け継がれる着物や、ヴィンテージのデニムなど、
衣服もほつれや破れを修繕しながら、大切に、長く着ていくことができますよね。

今回は、そんな衣服の世界から、
福岡で洋服のお直しをしているフォルムアイの赤池俊助さんにお話を伺いました。

 


Q(マイスター 以下:マ). 赤池さんの現在のお仕事内容を教えてください。

赤池さん

洋服のお直しを主体とし、お客様からのオーダーや、リメイク、
また、バックなどの革製品の修理、染め替え等も承っております。

マイスター

衣服のお直しというとミシンを多用するイメージがありますが、
鞄や、染め替えなど、かなり幅広い部分まで作業をしているんですね。

それらの作業はかなり深い技術が要求される世界だと思うのですが、
赤池さんがそんなお直しの世界でお仕事を始めるきっかけにはどんなことがあったのでしょうか?

赤池さん

服飾系の専門学校を卒業する際に、
当時のアルバイト先に今の上司がよく来てくれていて、その縁で入社しました。

当時の恩返しが今現在まで続いている形になりますね。

マイスター

人と人との出会い、縁がきっかけだったんですね。

赤池さんがお直しを続ける中で苦労した場面や、
過去に行った中で印象深い修理などがあれば教えてください。

赤池さん

アパレルは日々進化していて、
新素材や、新しいデザインの物のお直しにも対応しなければなりません。
知恵をだすこと、それを技術で体現することには苦労しています。

印象深いのはバブアーのライニング(=洋服の裏地)補修です。
お客様ご自身に持ち込んでいただいた生地で破れを補正したのですが、
端部分の厚みが薄いことにより、引っかかりなく着用することができて良いと好評でした。

自身で修理した商品をお客様にお渡しした際に、
「ありがとう」とダイレクトに感謝の言葉をいただいたときはグッときますね。

 

赤池さんが実際に行ったというライニング補修。

縫い糸の主張が抑えられていたり、元の生地との厚みによる段差が出ないように処理されていたりと、
着ている分には目にすることがない裏地にも細かな部分での職人技が光る。

 

 

Q(マ). 衣服や鞄などの修理に精通した赤池さん。足元やファッションでのこだわりはどのような点にありますか?

赤池さん

レザージャケットやデニムなど体に合うもの、
使うことで自分に馴染んでくるものが好きでよく着ています。
ケアすることで、思い入れも強くなっていくと思います。

マイスター

我々がメインでお客様からお預かりしている靴もそうですが、
自身で履き込んだり、お手入れしたりすることで愛着が湧くのは、
長く使うことができるアイテムの大きな魅力ですよね。

赤池さんご自身がお持ちのものの中でも、
特にお気に入りだったり、思い入れが深かったりするものはありますか?

赤池さん

10年ほど前、20代のときに購入したライダースジャケットです。
今思うと、とても高価な買い物でした。
息子が大きくなったときに、裏地を張り替えて渡す約束をしています。

マイスター

ライダースジャケットを受け継ぐだけでも素敵なエピソードですが、
お直しに精通した赤池さんらしく、” 裏地を張り替えて “というのがとても粋ですね。

最後に、今後挑戦したい靴やアイテムがあれば、教えてください。

赤池さん

今シーズンはG.H.Bassのローファーを履きたいですね。
クロップド丈のパンツにド派手な柄シャツを合わせてみたいです。

マイスター

ローファーに柄シャツ、春夏の時期が待ち遠しくなる素敵なスタイルですね。
思わず真似したくなってしまいます。

今回はお忙しい中、ありがとうございました。

赤池さんが実際に10年間着用したというライダースジャケット。

赤池さんご自身によるクリームやブラッシングでのお手入れに加え、10年という歳月も相まって、
柔らかくなった質感、光沢感等、経年変化による革の美しい風合いを写真からでもしっかりと感じ取ることができる。


インタビューは以上となります。
赤池さん、ご協力ありがとうございました。

お手入れやお直しを続け、愛着を持って育てるライダースジャケット。
そんな大切な一着があると着ることができるシーズンが待ち遠しくなるのは、
ブーツをはじめとするさまざまな革靴とも通ずる部分を感じます。

赤池さんが所属する店舗は下記よりご覧いただけます。
長く着たい、思い入れのある一着でお困りごとがある方は、ぜひ足を運んでみてください。

 

 

フォルムアイ福岡天神地下街店

〒812-0011
福岡県福岡市博多区博多駅前1丁目6-11
リフォームブティック
営業時間 10:00〜20:00

TEL:092-452-4065

・HP:https://form-i.co.jp/
・Instagram:@formi_tenchika

 


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