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Meister interview vol.9 〜 大丸札幌店 前田善光バイヤー 〜

革靴、皮革製品や靴磨きなど、足元のお仕事に携わっている方はもちろん、
ファッションや皮革に精通しているプロフェッショナルな方々を、
M.MOWBRAY シューケアマイスターがインタビューし、ご紹介する企画です。

日々、全国に靴好き、革製品の方々が居るのを感じる瞬間があります。

都心の店舗にInstagramのDMで沖縄や九州の方々からご連絡をいただいたり、
関西の店舗のブログを関東の方々が見てくださったりと、改めて革靴、革製品の底力を感じさせられます。

今回は北海道で紳士靴や紳士雑貨の魅力を伝えている、大丸札幌店の前田善光バイヤーにお話を伺いました。

 


 

Q(マイスター 以下:マ). 前田さんが今のお仕事や、お仕事をするようになった経緯について教えてください。

前田さん

現在は大丸札幌店の紳士雑貨の担当バイヤーとして、
売場商品の品揃えやPOP-UPの運営などに携わっています。

学生時代からファッションに興味があり、百貨店に入社、
そこで紳士雑貨売場の販売員として配属となりました。

商品と接し、お越し下さったお客様とコミュニケーションをとる中で、
紳士雑貨に対する興味が強くなりました。

バイヤーを志すようになったきっかけは、私が見てきた様々な先輩バイヤーの背中です。
自分自身で売場づくり、品揃えにも携わっていきたいと考えるようになりました。

マイスター

バイヤーを志したのは、身近な先輩の存在があったからなんですね。
自身の頭の中で思い浮かぶ売り場を形づくっていくのは、
大変ながらとても楽しいお仕事なんだろうなと感じます。

前田さんご自身は、お仕事のやりがいをどんな瞬間に感じますか?

前田さん

自分で買い付けをした商品を、お客様が身につけてくださっているのを見かけたときは嬉しく思います。
仕事を通じて、様々な人と関わっていくことで世界観が広がっていくことも、楽しいと感じますね。

マイスター

自分で選んだ商品がお客様の大切な一足としても選んでいただける瞬間は、
想像してみるとすごく嬉しいことですね。

セレクトの基準は当然趣味や嗜好だけではないと思いますが、
自身が魅力を感じ、納得をして選んだ商品がお客様の生活に馴染んでいくというのは、
考えただけですごくワクワクします。

様々な人々と関わり、生み出してきた企画の中で、
特に思い入れのあるものにはどんなものがありますか?

前田さん

アンティーク商品を取り扱っているお店さんや、
地元のセレクトショップさんに出店して頂いた初のPOP-UPイベントは印象に強く残っています。

「初イベント」のような新しい企画をお客様に楽しんでもらうことが好きなのかもしれません。

マイスター

セレクトショップからアンティークまで、幅広いジャンルのPOP-UPはとても楽しそうな企画ですね。

バイヤーという、様々な商品や人に触れるお仕事をしている前田さん。
ご自身で何かを購入する際のこだわりはありますか?

前田さん

永く使えるものを選んで買うようにしています。

機械で大量生産されるようなものではなく、
生産者や生産背景にこだわりが垣間見えるものに惹かれます。

マイスター

物語が商品背景にあるものって、とても魅力的ですよね。
マイスターとして靴をお預かりした際、
お客様の靴に対する個人的な思い出を聞くことができるのも個人的にワクワクする瞬間です。

 

大丸札幌店の店内風景。

前田さんのセレクトを中心に、大切にしながら長く履くことのできる靴が揃えられている。
雪の路面でも革靴を履き、楽しむことができるよう、ラバーソールの靴も豊富なラインナップが展開されている。

 

Q(マ). 物を選ぶことにこだわりを持っている前田さん。靴は何足ほど持っていますか?

前田さん

現在は20足程度です。
革靴はイギリスのブランドが多いですが、最近はスニーカーの数も増えてきました。

マイスター

現在は20足程度ということは、
過去には増やしたり、数を絞ったりと、ご自身で何か意識したことがあるのでしょうか?

前田さん

必要以上に物を持たないよう、定期的に(時には衝動的に)整理整頓するようにしています。
使わないものは人に差し上げたり、リサイクルショップ持って行ったりと、
捨てないようにして、次に誰かに使ってもらえるような行動を心掛けています。

マイスター

自身で使う機会が少なくとも、
次の誰かの手に受け継ぐことで無駄にしないようにするというのはとても素敵ですね。
先ほどイベントの話題にも上がった、アンティークのお店などとも通ずる部分を感じます。

現在前田さんが持っている20足は、厳選された靴の数々だと思うのですが、
その中でも好きな靴ブランドや、お気に入りの一足などはあるのでしょうか?

前田さん

Church‘sが好きですが、
最近はJ.M.WESTONやAldenなどのブランドのローファーを選んで履くことが多いです。

冬の時期は雪の影響でローファーを履くことができないので、
ClarksのデザートブーツやParabootなど、ラバーソールの靴を履いています。

その中でも、いちばんのお気に入りはChurch‘sのCONSUL(コンサル)です。

「いつか自分が結婚するときに、足元は自分で磨いた靴で臨みたい」と思い、購入しました。
その後、実際に自分の結婚式で履きましたし、お祝い事や特別なときに履く靴として活躍してくれています。

マイスター

Church‘sのCONSULは、本当に素敵な一足ですよね。
磨きはもちろんですが、オールソールなどの修理でもお持ち込みいただくことが多く、
長く大切に履くことのできる名靴のひとつだと思います。

ご自身の革靴を長持ちさせるために、何かこだわりや意識していることはありますか?
また、保管の際に気をつけていることなどはありますか?

前田さん

鏡面磨きはあまりせず、栄養補給や補色などで自然に仕上がる程度にしています。
最近は忙しいことを言い訳にし、なかなかケアに時間をかけることができていませんが、
その中でも、シューツリーはしっかりと入れるようにしています。

一度型が崩れてしまうと元に戻すのは難しく、履く頻度が下がる原因にもなってしまうため、
新しい靴を購入したときには、シューツリーをセットで選んでいます。

保管に関しては、革靴とスニーカーはブランドやテイストに分けて収納するようにしています。
自分の靴でも自然と分類してしまうのは、もはや職業病のような気がしますね(笑)

マイスター

大切な一足を長く履くために、シューツリーは本当に重要ですよね。
靴の分類に関しても、個人的にはとても共感できる部分がありました(笑)

最後に、バイヤーとして数々の靴を見てきた前田さんがおすすめする靴の選び方、
また、個人的に今後履きたい靴などあれば教えてください。

前田さん

オールソールができて、永く履くことができるグッドイヤーウェルテッド製法の靴がおすすめですね。

またChurch‘sやJOSEPH CHEANEYのように、
デザインがシンプルな靴を選ぶと、着用シーンの幅が広がり、
履く機会が増えることで愛着を持って、その靴と付き合っていくことができると思います。

個人的に最近はローファーばかりを履いているので、
黒のパンチドキャップトゥくらい、ドレステイストのデザインの靴が気になっています。

 


 

インタビューは以上となります。
前田さん、ご協力ありがとうございました。

クラシックでシンプルなデザインの靴を、改めて大切に履きこみたくなる内容でした。
大切な一足を長く、日頃我々がお客様にお伝えしていることと通ずる部分ではありますが、
改めて、その魅力を感じることができました。

魅力的な大丸札幌店の紳士靴売り場。
北海道の靴好きの皆様は、ぜひ一度ご覧になってみてください。

次回の記事もお楽しみに。

 

大丸札幌店6階シューズプラス売場

〒060-0005
北海道札幌市中央区北5条西4-7
営業時間:10:00-20:00 元旦のみ休業

TEL:011-828-1111(大代表)

・大丸札幌店HP:https://www.daimaru.co.jp/sapporo/
・Instagram:@daimarumensgearsquare

 


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