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Meister interview vol.14 〜 セカンドオーシャン 高野洋二さん 〜

革靴、皮革や靴磨きなど足元のお仕事に携わっている方はもちろん、
足元に合わせたファッションや洋服に精通している方のお声をご紹介する、Meister interview 企画。

今回は、革靴を長く履く上で切っては切れない、
いや、むしろ切ってはならない “底縫い(=アッパー(甲革)とソール(靴底)を縫い付ける作業)”
を専門としている、セカンドオーシャンの高野洋二さんにお話を伺いました。

 


 

Q(マイスター 以下:マ). 高野さんが底縫いの仕事をすることになった経緯をお聞かせください。

高野さん

「元々靴のメーカーに勤めていたときに、
一通り靴作りの技術を習得した上で、今の業種(=底縫い)が一番得意だったからです。」

マイスター

「底縫い以外にも靴づくりに必要な様々な工程をご経験をされてきたんですね。

店頭で様々な状態の靴を見ていると、
靴づくりや修理などにおける底縫いは、重要な工程なんだと改めて感じます。

高野さんが様々な靴に触れてきた中で、
ご自身のお仕事の一番のやりがいはどんなところに感じますか?」

高野さん

「 “こんな靴を作りたい”など、
相談に来てくださったお客様が仕上がりを見て喜んでくださったときです。」

マイスター

「我々も仕上げた靴をお客様が喜んでくださったときは、本当に大きなやりがいを感じます。

数々の靴づくりに携わり、様々な状態の靴にも出会った経験があると思うのですが、
作業を行う中で苦労した場面、過去に靴づくりに携わった中でなにか思い入れのある靴などありますか?」

高野さん

「作業が難しかったのは、
元々の靴のデザインが、出し縫い(※1)やオパンケ縫い(※2)をする上で難しい構造のとき、
そしてそれになんとかミシンをかけたときですね。

過去に携わった靴では、

・20mmほどの厚物縫製
・細かなピッチでの縫製

が印象に残っています。
特に思い入れが強いのは、レスリングの内藤哲也選手のためにレスリングシューズを作成したことです。」

マイスター

「細かなピッチの縫製の靴は工房でも度々お持ち込みいただくときがあり、
思わずずっと眺めていたくなるときがあります。

ドレスシューズやブーツのイメージがありましたが、
レスリングの競技用のシューズを作っていたというお話も興味深いです。」

 

実際に高野さんが作業に使用しているというミシン。

ひと口に「底縫い」と言っても、靴の製法により使用するミシンは様々。
また、同じ製法、同じ縫い方でもドレスシューズ、ブーツなど、
出来上がる靴によってミシンを使い分けているそうです。

 

Q(). 数多くの靴づくりや修理に携わってきた高野さん。ご自身では現在何足ほど靴をお持ちですか?

高野さん

「20足くらいです。」

マイスター

「かなりの足数をお持ちですね!その中でも好きな靴のブランドはありますか?」

高野さん

「ParabootとDr.Martensですね。」

マイスター

「どちらのブランドも、各マイスターの店舗で持ち込みの多い人気の靴です。

革靴の肝とも言える底縫いを数多経験してきた高野さんが、
挙げていただいた2ブランドの靴を好きな理由があれば、教えていただきたいです。」

高野さん

「ParabootもDr.Martensも、特殊なすくい縫いミシンを使っているからですね。
うち(=セカンドオーシャン )では持っていないという嫉妬込みで(笑)」

マイスター

「数々過去のインタビューでも靴がお気に入りの理由を聞いてきましたが、
” 靴底を縫い付けるミシン ” がお気に入りの理由になったのは初めてですね(笑)

底縫いのプロフェッショナルである高野さんだからこその目の付け所で、
個人的にもとても素敵な理由だと感じます。

大切な一足を長く履く上で、高野さんがケアでなにか気をつけている点はありますか?」

高野さん

「出来るだけたくさん履いて、マメにお手入れをするようにしています。

また、以前ケアを長期間おろそかにしてしまい、靴の表面がカビてしまった経験があるため、
湿気の多いところに靴を置かないようにし、モールドクリーナー を併用してカビ予防にも重きを置いています。」

マイスター

「カビは革靴にとっても厄介な存在ですよね。
工房にも毎年多くの靴のお持ち込みがあり、
昨年は梅雨が長かったことからモールドクリーナー のお問い合わせも非常に多かったです。

最後に、足元のファッションに関するこだわりや、今後挑戦してみたい靴などあれば教えてください。」

高野さん

「底縫いをしているということもあり、縫製のかかっている靴が好みなのでよく履きますね。

登山靴が好きなのですが、モカ縫い(※3)のあるタイプの靴なども履きたいです。」

 

(左)・M.MOWBRAY PRESTIGIO モールドクリーナー ¥2,200(税込)
(右)・M.MOWBRAY PRESTIGIO モールドクリーナー ラージ ¥4,400(税込)

スムースレザー、スエード・ヌバックの皮革製品に生えてしまったカビを取り除き、
カビ発生の防止剤としても使用できるアイテム。
除菌力が高く、皮革にやさしい有機ヨードが主成分で、
カビの表面を覆っている細胞膜を壊して除菌することが可能。

 

※1  出し縫い:グッドイヤーウェルト製法において、アッパーとウェルトを縫い合わせる作業のこと。
※2 オパンケ縫い:アッパーとソールを縫い付ける作業のこと。靴の真横に縫い目が出るのが特徴で、革靴だけでなくスニーカーでも用いられている製法。
※3 モカ縫い:「モカシン縫い」の略。靴の甲部分を縫い合わせる方法のひとつで、ローファーや登山靴に見られることが多い。

 


 

インタビュー内容は以上となります。
高野さん、ご協力ありがとうございました。

縫製を軸に様々な靴について興味深いお話を伺うことができました。
下記Instagramアカウントより、
さまざまな靴の作業風景や、実際に使用しているミシンの写真を見ることができます。

靴修理や靴づくりの奥深い世界に興味が湧いたという方は、ぜひ覗いてみてください。

次回もお楽しみに。

 

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