着脱が楽なのはローファーだけじゃない!?サイドエラスティックシューズとは。
日本橋店 2021年09月11日
みなさま、こんにちは。
日本橋工房の岡嶋です。
数ヶ月前のある日、お客様と「ある靴」のデザインについて話していました。格好良いよね、どこのブランドのが良いかな、などなど。靴についてのいろいろ話をしていたのですが、
面白いことに、その時から話していたデザインの靴をよく目にするようになりました。
紳士靴売り場に入荷したジョンロブの新作がそのデザインだったり、
常連様からのお持ち込み頂いた靴がそのデザインだったり…
意識しているからなのか、
はたまた偶然のタイミングが重なって本当に増えたのか。
では、その靴のデザインとは、どんなものなのか。
そうです、それが今日のテーマ、『サイドエラスティックシューズ』です。
【YOHEI FUKUDA(ヨウヘイ フクダ)】のサイドエラスティックシューズ
【JOHN LOBB(ジョンロブ)】のサイドエラスティックシューズ「Holton」
サイドエラスティックとは、写真のように
本来は靴紐のある部分の両脇にエラスティックを配置して、フィット感を高めたスリッポンです。
※エラスティック(ゴム)を織り込んだ伸縮性のある生地を甲からくるぶしにかけてのトップライン(履き口)に施したデザイン靴を通称、「エラスティックシューズ」と言います。
アップにして見ると、よく分かりますね。
靴紐がないことで、着脱のたびに靴紐を解いて結び直す必要もなく、着脱が容易という点も特徴の一つです。
靴の脱ぎ履きが多い日本では、非常にありがたい特徴ですね。
しかし、靴紐がない靴と言われると
思い浮かべるのは学生時代から馴染みのあるローファーが多いのではないでしょうか。
最近では、ビジネスにもローファーを履いたりと一般化されつつあるものの
ローファーはややカジュアルな印象を持たれることも多いと思います。
対して、先ほどの写真を見ても
サイドエラスティックは靴紐がないが「スマート、上品、ドレッシー」な雰囲気ですよね。
そういったこともあり、
今ではスリッポンながらも高いデザイン性の備わったドレッシーな位置づけな靴として認知されています。
個人的にこのデザインの面白いところは、
構造上、エラスティック(ゴム)が露出してしまうのを逆手に取って装飾を施したりと、
馴染ませ方や見せ方がブランドによって全然違い、それがブランドや靴職人の腕の見せ所でもある点です。
意匠をこらしたサイドエラスティックは内羽根式の紐靴にも負けず劣らずな、凛とした表情が楽しめます。
これからお見せする靴の写真でもその点を楽しんで頂ければと思います。
【EDWARD GREEN(エドワードグリーン)】
本来、靴紐がある部分に、
グッと広がっていく綺麗な弧を描いたパーフォレーション(穴飾り)を施した一足。
![](/files/5C3E29B4-C784-47F8-B8B1-780EA2CBFB50.jpg)
【ANTHONY CLEVERLEY(アンソニークレバリー)】
ブランドのアイコン的モデルでもある「CHURCHILL(チャーチル)」
![](/files/IMG_9604.jpg)
今まで登場したサイドエラスティックとは違い、
甲部分には靴紐を通す穴や靴紐を模したデザインが施されており、紐靴に見えてきますね。
しかし、靴紐を解いて結び直す必要もない。
シューホーンを使って、サッと履けます。
このように一見きちんとした紐靴のように見えるけど、
楽に着脱ができるということからレイジーマンと呼ばれたりなんかもします。
![](/files/IMG_9588.jpg)
【JOE WORKS(ジョーワークス)】
こちらも「紐靴では?」と思ってしまいますね。
![](/files/IMG_9598.jpg)
先ほどの一足も同様ですが、このように靴紐を模したデザインをイミテーションレースと呼んだりします。
同じサイドエラスティックでも靴の色が茶と黒は印象が変わりますね。
![](/files/3C042686-8ADB-480F-B3E5-9B7923F1B0DA.jpg)
【Gaziano&Girling(ガジアーノ&ガーリング)】
今までの靴も相当珍しいのですが、最後の一足もすごいです。
新作、「Gilbert(ギルバート)」
今までも登場したイミテーションレースとは少し違う点が…
それはイミテーションレースの羽根の開き具合です。
本当に紐靴を履いているかのような、絶妙な部分を再現するこだわり。
長くなりましたが、
サイドエラスティックという同じ枠の中にいても様々ですね。
どこの靴屋さんに行っても見かける、どのブランドからも出ているデザインとは言えませんが、
みなさまが靴を購入する際の候補として
サイドエラスティックを思い出してくれたら嬉しいです。
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