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~REDWINGから加水分解を考えてみた①~なぜウレタン素材を使うのか

こんにちは。

FANS.浅草本店のYUMA.です。

2021年になりましたが、まだ書類の日付に「2020」とつい書いてしまいます。

新しい大河ドラマがスタートするくらいには書き慣れているでしょうか。

 

さて、本日はアメカジの定番REDWINGからベックマンブーツの修理を通じて「加水分解」という現象を紐解きます。

当店でもかなり多くいただくご相談でありますソールの加水分解。

「最近やたら黒いスレあとが玄関フロアに目立つようになったな……」

なんて気づいたらこの加水分解を疑った方がいいです。

加水分解とはウレタンゴムが水分と化学反応を起こすことでボロボロに崩壊する現象です。

 

この「加水分解」という現象。

知恵袋やSNSでもちょいちょい話題にあがる単語。
なんとなく経年劣化でこうなっちゃうよねー。
仕方ないよねー。
と、ふわっと折り合いつけていますが
今日はもう少し掘り下げた話をしていきます。

 

加水分解の話に入るまえにまずは、
そもそも靴底になぜ加水分解を起こすウレタンを用いるのか。

そこからご説明します。

わざわざウレタンソールを用いる理由。
いろいろな事情がありますが大きく挙げるなら3点です。

①高い耐摩耗性(減りにくい)

②硬度のコントロール(硬いのも柔らかいのも作れる)

③複雑な形状でも成型できる

 

ざっとこんな具合ですが、どの特徴をとっても靴底に向いてる素材と言えます。

まず①の耐摩耗性。

ものによるのは当然ですが加硫ゴム(天然ゴムに硫黄やら金属酸化物を添加してゴム分子を網目状に変えたもの。≪架橋反応≫)に比べるとTPU(熱可塑性ポリウレタン)は約3~4倍くらいの耐摩耗性があります。

もちろん耐摩耗性以外の要素である硬度や破断強度がそれぞれ異なるため、

単純に3倍もつとは言えませんがかなりの高耐久であることは間違いありません。

 

次に②の硬度。

靴底には耐摩耗性だけでなくクッション性も大切です。特にスポーツ用や高齢者向けの靴において重要視される傾向にあります。

歩行の衝撃を吸収するには柔らかく作れば簡単(実際にはそんな短絡的でもありませんですが今日は割愛)ですが、ただ柔らかいだけだとすぐにすり減ってしまいます。

そこで優位に働くのが先に話したウレタンのもつ耐摩耗性です。

ウレタンは低硬度でも高硬度でも耐久性を発揮するので柔らかいクッション性を持たせても

靴底として機能するのです。

おなじく軽くて柔らかいEVA(発砲素材)はソールのウェッジ(基部)に使われることはあっても、本底面には薄いラバーを貼って

弱点である耐久性を補っています。

 

そして③。

現代ではハイテクスニーカーのみならず一般的なレザースニーカーや革靴まで、複雑な形状のウレタンソールを採用するのが当たり前の時代です。

それはよそにマネできないブランド独自のデザインのためであったり、

高級革靴のディテールをシルエットだけ再現したコストカットのためだったり、

ローリング傾斜やエアクッションなどによる履き心地向上に特化するためだったり、

様々な理由があります。

注入成形・混錬成型・射出成型など用途によって加工法も使い分け

様々なニーズに応えることができます。

 

どうです?ここまで聞いたらみんなウレタンのことが好きになるでしょ?

でも我々は知っている。

人生はそう甘くないのだと。

次回いよいよ加水分解のメカニズムへ!

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