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~REDWINGから加水分解を考えてみた②~なぜ加水分解を起こすのか

こんにちは。

FANS.浅草本店からYUMA.がお送りしてます加水分解シリーズ第二弾。

前回はウレタンソールの利点を紹介しました。

そして今回は本題である加水分解のメカニズムに迫ります。

そもそもとしてウレタンに限らず万物は森羅万象、様々な影響を受けて変化します。

その変化の度合いや方向性によって
「ダメージ」とか「劣化」などと位置づけられているといえるでしょう。

実際、ウレタンを劣化させる原因は酸素・オゾン・紫外線・熱・油・引っ張り・圧縮・微生物など水分だけにかぎりません。

後述する加水分解による劣化が特別目立つわけですが、使用環境から由来する複合的な上記要因があり
並列的かつ相乗的に作用して劣化していきます。

つまるところ劣化するのはもうどうしようもない宿命なのです。
劣化する原因が分かったところで、劣化そのものを食い止めたり修復することはできないということをご理解ください。

さて、小難しい冒頭になりましたが加水分解の話です。

これまでずっと「ウレタン」と表記してきましたが実は正確ではありません。
「ウレタン」と呼ぶとウレタン結合をもつ化合物を指すことになり、いくつかの種類があります。

ウレタン素材のなかでも靴底に多く使われているのは
「ポリエステル系ウレタンゴム」です。

エステルの結合は水に反応し、酸とアルコールに分解されます。
そして構造の結びつきが切断されボロボロと崩壊します。

この現象が加水分解なのです。

さらにこの加水分解は高温になるほど反応が進みやすくなります。

ある研究結果ではそれは60℃ぐらいからといわれており、

日常生活で言えば炎天下の車内。
ポリエステル系素材を放置すると
どんどん劣化が進みます。

そうでなくともポリエステル系ウレタンは約5年ほどで50%物性低下が起こると言われています。

靴底の場合水分以外の劣化因子もたくさんあるため
体感だとポリエステル系ウレタンソールの寿命はそれよりもう少し早いように思えます。
(もちろんかならず数年で加水分解を起こすと決まっているわけではありません。あくまでもトータルの強度の話です)

加水分解を起こした靴を持ち込まれて
「まだ買ったばかりなのになぜ劣化?」と不思議がられる方もいますが
こんなにもいろいろな劣化因子から逃れることは不可能であり、製造時から経年するほど

たとえ新品であっても劣化は進行します。
いつ購入したかではなく、いつ製造されたかを考慮して購入されるのが失敗しないコツかもしれません。

とまあ、ろくに教養もない一介の修理人風情がムツカシイ論文をかみ砕いたつもりで書き進めました当ブログ。
わかりにくかったりピンとこない部分もおありかと思いますが加水分解に悩む人の参考になれば。

その道の有識者から見て「こりゃトンチンカンであるぞ!」というご指摘あれば
積極的に加筆修正していきますのでご一報くださいませませー。

次回は加水分解したベックマンをどう直すかを紹介します!


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