Meister interview vol.52 ~SHOESHINE GRAND PRIX 2026 福岡大会優勝 甲斐 光さん~
革靴、皮革製品、靴磨きやファッションなどに精通しているプロフェッショナルな方々を、
M.MOWBRAY認定のシューケアマイスターがインタビュー。
お仕事の内容やこだわり、人となりについてご紹介する企画です。

今回インタビューにご協力いただいたのは、
SHOESHINE GRAND PRIX 2026 CITY CHAMPIONSHIP 福岡大会で見事優勝を果たした甲斐光さん。
昨年の福岡大会に続き、2年連続で福岡大会を制覇。
鏡面磨きを追求し続け、その技術を理論的に磨き上げながら、今年も圧倒的な存在感で優勝を掴みました。
今回は、仕事への想い、靴磨きへのこだわり、そして大会へ挑む姿勢についてお話を伺いました。
日常を支える仕事に誇りを持って
■現在のお仕事内容を教えてください。
総合物流会社に勤務しています。
普段は安全靴を履いて仕事をしているため、仕事中は革靴とはほとんど縁がありません。
■今のお仕事をするようになった経緯を教えてください。
以前は約300名が在籍する拠点で現場リーダーを務めていました。
さらにキャリアアップ、ステップアップしたいという思いから、現在の総合物流会社へ転職しました。
■ご自身のお仕事の、一番のやりがいは何ですか?
会社ではコンビニやスーパー、飲食店などへ届けられる食品を取り扱っています。
人と食をつなぎ、日常生活を支える仕事に携われていることを実感した時、「この仕事をしていて良かった」と感じます。
福岡大会が与えてくれた自信

■思い入れのある出来事を教えてください。
昨年のSHOESHINE GRAND PRIX 福岡大会ラバーズ部門決勝で磨いた「ヒコック2」のことを今でも鮮明に覚えています。
他の選手と横並びで磨く経験も、業界トップクラスの審査員の方々に見ていただく経験も初めてでした。
「自分の磨きはどこまで通用するのだろう。」
そんな思いで臨みましたが、その中で結果を残すことができ、自分の磨きに自信を持つきっかけになりました。
感覚ではなく、理論で磨きを追求する
こだわりを持っていることについては、感覚だけではなく理論として説明できるよう意識しています。
靴磨きでも、
「なぜ鏡面磨きをするのか。」
「なぜこのクリームやワックスを使うのか。」
その理由を説明できるようにしたいと思っています。
感覚ももちろん大切ですが、理論化することで新しい発見があり、自分の技術の引き出しも増えていくと考えています。
■物を大切にするために習慣としていることはありますか?

特別なケアを時々行うよりも、日々のケアを積み重ねることの方が大切だと思っています。
運動前のストレッチが大切なのと同じように、靴も履く前と履いた後には必ずブラッシングをしています。
■休日の過ごし方を教えてください。
普段は朝5時起きなので、休日は思い切り寝るようにしています(笑)。
起きてからは靴磨きの練習をすることがほとんどです。
道具の組み合わせや塗り方、塗布量によって仕上がりがどう変わるのか。
日々試行錯誤しながら研究しています。
思い出が刻まれた愛靴
■靴は何足くらいお持ちですか?
革靴が15足、スニーカーが3足です。
■皮革製品のお手入れやM.MOWBRAYを知ったきっかけを教えてください。
靴磨きの原点は、野球のグローブやスパイクの手入れでした。
当時から道具を綺麗に、長く使いたいという思いがあり、雑巾や歯ブラシを使って隅々まで手入れしていました。
M.MOWBRAYとの出会いは、靴磨き芸人・奥野奏さんの動画です。
動画で紹介されていた「ステインリムーバー」が、初めて購入したシューケア用品だったと記憶しています。
■お気に入りの靴を教えてください。


お気に入りは、BarkerのタッセルローファーとUチップです。
傷もありますが、それもこの靴が歩んできた歴史として大切にしています。
PLSBの上田さんをはじめ、世界チャンピオンであるBrift Hの長谷川裕也さん、
Boston & Re Oldsの西上さんにも磨いていただいた思い出が詰まった、私にとって特別な二足です。
仕上がりを左右する”汚れ落とし”

■ケアのこだわりや、好きなアイテムを教えてください。
最も大切にしている工程は、汚れ落としです。
汚れを落とし過ぎれば革を傷めてしまい、不十分であれば次の工程の仕上がりに影響します。
その絶妙なバランスを見極めながら、革の状態に合わせてケアを行うことを心掛けています。
特に愛用しているのがM.MOWBRAY ワックスクリーナーです。
ワックスが緩み、動いていく様子が目で見て分かりやすく、鏡面磨きの調整がしやすいため、とても重宝しています。
目指すのは、その先のステージ
■公認大会へ出場しようと思ったきっかけを教えてください。
今年の目標は、ただ一つ。
福岡大会連覇でした。
昨年優勝できたからこそ、今年は”勝つ”だけではなく、圧倒的な内容で東京へ行きたいという思いがありました。
そのため、大会へ向けて使用するアイテム構成も徹底的に考え抜いて臨みました。
■SHOESHINE GRAND PRIX 2026公式大会への意気込みをお願いします。
アマチュア勢にとって2回戦の壁は非常に高いですが、その壁を越えてセミファイナル、
そしてファイナル進出を目指したいと思っています。
SOLO部門でも全力で優勝を狙いにいきます。

おわりに
理論を積み重ね、検証を繰り返しながら、自分だけの磨きを追求し続ける甲斐さん。
その姿勢は、鏡面磨きの技術だけではなく、仕事や日々の習慣にも共通しています。
福岡大会2連覇という結果に満足することなく、さらに高みを目指し続けるその探究心は、多くの靴磨き愛好家にとって刺激になるはずです。
決勝大会でのさらなる活躍にも期待しています。
今回のインタビューは以上です。
次回のインタビューもお楽しみに。












