靴磨きを楽しめる時代
シューケアマイスター部二子玉川店の寺田です。
これからシューケア・靴磨きを始める人にとって、今は良い時代か?それとも…?
お客様やスタッフとの会話をきっかけに、ふと考えることがあります。
「数多くのケア用品のブランド、多種多様なクリームやブラシ」
「WEB上にある、あらゆる人の革靴の磨き方」
自由に選択できる幅があると考えれば、良い時代です。
一方、多すぎる選択肢と情報に振り回されそうだと考えると、「良い」と言い切れない部分もあります。
この問題を考え出すと、いつも悩みます。
そして悩んだ先で「やっぱり良い時代」に落ち着きます。(それなら毎度悩む必要が無いとも思うのですが…)
「やっぱり良い時代」に行きつくのは、過去の実体験が大きく影響しています。
私が靴を磨き始めた頃の話、少しお付き合いください。
雑誌で情報を集める
私が革靴を磨き始めたのは高校生のとき。1997~1998年頃です。
制服用のローファー、私服用のショートブーツを綺麗に長く履いていきたい。
革靴を磨きたいと思ったきっかけです。
革靴に専用のクリームを塗れば良いことは、祖父から教わっていました。
しかし他に何が必要なのか全く分かりません。
情報を集めようにも、携帯電話も持っていない高校生。
パソコンを使って簡単に情報が出てくる時代でもありませんでした。
頼みの綱はメンズファッションや、趣味の道具を扱った雑誌です。
「クリームはガラス瓶に入った柔らかいものを」
「以前に塗ったクリームは、クリーナーで落とした方が良いらしい」
雑誌で得た情報を組み合わせて、必要な道具は絞り込めました。
店頭で買う難しさ
しかし、私が住んでいた新潟ではその道具が手に入りませんでした。
靴用のクリームは百貨店の紳士靴売場に並んでいたのですが、問題は他の道具。
特に欲しかった液体のクリーナーは、私が探せる範囲のお店には置いていなかったのです。
父親が東京に出張するタイミングで「コレを買ってきて」とメモを託し、何とかクリーナーを手にすることができました。
実はこれがステインリムーバーとの出会いでした。(この話は、また別の機会にできればと思います)
どこにいても買える便利さ
こんな回り道を体験すると、今はどう考えても便利で良い時代になったと感じます。
スマホで検索して、インターネット上で簡単に購入手続きは完了。自宅以外での受け取りも可能です。
取扱い店舗が少ないアイテムも、そのブランドのショッピングサイトであれば購入できることがあります。
(M.MOWBRAY公式ショップ・FANS.楽天店、ヤフー店)
普段使いで消費ペースが速いアイテムは、履歴などから簡単に再購入できます。
都市部で暮らしていなくても、インターネット接続と物流さえ整っていれば大丈夫。
本当に便利な時代になりました。
選択の幅
「靴磨きを始めた頃の私が、今を生きていたら」
そう考えると心配なことが一つあります。
私の性格からして、たくさんの情報に振り回されていそうなのです。
妄想ですが、そんな自分自身へのアドバイスを。
自分の目で見て、手で触れて。一度試してみたらどう?
選択の幅があるのは、良いことです。
手にした情報に、自分の目で見たこと、体験したことを合わせれば、納得できるモノ選びができるはず。
現代の便利さと上手く付き合って、靴磨きを楽しめる良い時代にしていただければ嬉しいです。