Meister interview vol.49~SHOESHINE GRAND PRIX 2026 仙台大会優勝 石川 大将さん~
革靴、皮革製品、靴磨きやファッションなどに精通しているプロフェッショナルな方々を、
M.MOWBRAY認定のシューケアマイスターがインタビュー。
お仕事の内容やこだわり、人となりについてご紹介する企画です。

今回インタビューにご協力いただいたのは、
SHOESHINE GRAND PRIX 2026 CITY CHAMPIONSHIP 仙台大会で見事優勝を果たした石川大将さん。
医療機器メーカーの営業として働きながら、約8年間靴磨きを楽しみ続けてきた石川さん。
仕事や家族との時間を大切にしながらも、靴磨きを通じて全国の仲間との交流を深め、
今年ついに仙台大会優勝を果たしました。
今回は、仕事への想い、靴磨きとの出会い、そして大会へ挑戦する理由についてお話を伺いました。
相手に寄り添う提案を大切に
■現在のお仕事内容を教えてください。
医療機器メーカーで営業をしています。
■今のお仕事をするようになった経緯を教えてください。
新卒ではIT企業で営業職として働いていましたが、地元で仕事がしたいという思いから現在の会社へ転職しました。
全国に拠点がある会社ですが、「担当が頻繁に変わるとお客様が困る」という社長の考えもあり、
基本的に転勤が少ない会社です。
仕事内容にもこの会社ならではの魅力があり、やりがいを感じながら働いています。
■ご自身のお仕事の、一番のやりがいは何ですか?
ユーザー様によって求められるものが違うからこそ、
自分なりにベスト、あるいはベターな提案を考えることにやりがいを感じています。
「石川さんに頼んで良かった」
「担当を変えないでほしい」
そんな言葉をいただけた時は、本当に嬉しかったですね。
靴磨きがつないでくれた人との出会い

■思い入れのある企画やイベントを教えてください。
特に印象に残っているのは、「ハッピーシューシャイン2022」と、
岩手県盛岡市の「よ市」での靴磨きイベントです。
「ハッピーシューシャイン」では、カフェに来場された方々の靴を磨かせていただきました。
岩手から参加しましたが、関東近郊で靴磨きを趣味とされている方々と交流することができ、
とても思い出深いイベントになりました。

また、盛岡市の「よ市」では、靴磨きを知らない方々の靴を磨く機会がありました。
革靴や靴磨きに馴染みのないお客様ばかりでしたが、皆さんとても喜んでくださり、
磨かせていただいた私自身も自然と笑顔になったことを覚えています。
今、一番大切にしたい時間

■日々の暮らしで心がけていることはありますか?
正直なところ、特にありません(笑)。
もうすぐ3歳になる娘がいて、何かを意識する余裕がないくらい毎日が充実しています。
強いて言えば、妻にもう少し楽をさせてあげられたらと思っています。
■物を大切にするために心掛けていることはありますか?
大切にし過ぎないことです。
雑に扱うという意味ではありません。
物は使ってこそ価値があると思っています。
たくさん使い、その都度メンテナンスをしながらエイジングや愛着を育てていくことが、
本当に物を大切にすることではないでしょうか。
■休日はどのように過ごしていますか?
平日はほとんど家にいないので、週末くらいは妻に一人の時間を過ごしてもらいたいと思っています。
そのため、土日の午前中は娘と二人で出掛けることが多いですね。
帰宅後は一緒に昼寝をして、気付けば夕方になっていることもしばしばです(笑)。
今は家族との時間が何より大切なので、日中に靴磨きをすることはほとんどありません。
思い出とともに歩む愛靴

■靴は何足くらいお持ちですか?
改めて数えてみたのですが、今は約50足です。
練習用の靴を含めるともう少し増えます。
最終的には10足~15足程度まで絞れれば理想的なのですが、なかなか難しいですね 笑
■皮革製品のお手入れやM.MOWBRAYを知ったきっかけを教えてください。
学生時代はサッカーをしていて、自分のスパイクの手入れをしていました。
その後、革靴もきちんと手入れしたいと思い調べたことがきっかけで、M.MOWBRAYや鏡面磨きの世界を知りました。
■お気に入りの靴を教えてください。

一足目は、Enzo Bonafe「EB-45(菅原靴店別注モデル)」です。
靴磨き大会でいただいた商品券を使って購入した、最も思い入れのある一足です。
マッケイ製法とラマ革による非常に柔らかな履き心地に加え、
一般的なバタフライローファーよりもドレス寄りの美しいフォルムも気に入っています。
翌年の靴磨き大会では、R&Dさんより「Sarto Recamier × Nakada Last」のシューツリーをいただき、
この靴とともに大切に使い続けています。
そして先日のSHOESHINE GRAND PRIX 2026 CITY CHAMPIONSHIP 仙台大会でもこの靴を履いて出場しました。
念願だった”チャンピオンシューズ”になってくれたこともあり、
これからもより一層大切に履き続けていきたいと思っています。


もう一足は、Saint Crispin’s「Mod.633」です。
Saint Crispin’s自体が見かけること多くはないブランドかつロシアンカーフでスキンステッチをしたモデルで、
あまり人と被らないこと、ミディアムブラウン気味なところから磨き続けてバーガンディーにエイジングし続けていることもあり、しっかりした履き心地も含めてとても気に入っています。
以前、R&Dの岡嶋さんに磨いていただき、店舗のInstagramで紹介していただいたことも忘れられない思い出です。
革に優しく、長く楽しむために

■ケアのこだわりや好きなアイテムを教えてください。
ケアのこだわりはできるだけ革に優しく、だけど保護できるかという点に重きを置いています。
あと、今はあまり自分の時間を確保できないのでローション等手軽にできるようなものを選ぶことが多いです。
中でもデリケートクリームとリッチデリケートクリームはやはり鉄板ですね。
前者はとにかく柔らかくしたいときに、後者はシミ対策しつつ水分補給をしたいときに使用しています。
アニリンカーフクリームはアッパーもですがソールに使うこともあります。
ハイシャインプライマーは必要以上に革に浸透せずに革の表面で止まってくれるので、
薄いワックス層を形成しやすく鏡面仕上げがラクであり、
ケアの時にクリーナーで落としやすいのもお気に入りポイントです。
家族に背中を押され、次の舞台へ
■公認大会へ出場しようと思ったきっかけを教えてください。
子育てが始まり、靴磨きから少し離れていました。
そんな時に大会の存在を知り、「もう一度しっかり靴磨きに向き合いたい」と思ったことがきっかけです。
また、靴磨きという趣味を持つ方々と交流できる貴重な機会だと思ったことも大きな理由でした。
2025年大会では札幌出張中にBrift H SAPPOROの林田さんから背中を押していただき、
2026年は前年決勝で敗れた悔しさから再挑戦を決意しました。
大会を通じて出会った方々とは今でも交流が続いており、それも大会へ出場する大きな魅力になっています。
■SHOESHINE GRAND PRIX 2026への意気込みをお願いします。
仙台大会で優勝できたことで満足している部分も正直あります。
それでも、プロの方々と真剣勝負ができる貴重な舞台に立てることに感謝し、
まずは初戦突破を目標に挑みたいと思っています。
実は妻には、「優勝どころか初戦突破もかなり厳しいと思う」と本音を話したんです。
すると、
「やる前から負けることを考える人なんていないよ。」
と、まるで猪木さんのような言葉で背中を押してくれました(笑)。
その期待にも応えられるよう、全力で挑みたいと思います。
おわりに
仕事、家族、そして靴磨き。
どれか一つに偏ることなく、そのすべてを大切にしながら歩んできた石川さん。
家族との時間を何より大切にしながら、限られた時間の中で靴と向き合い、
全国の仲間との交流を楽しみ、一歩ずつ積み重ねてきた経験が、仙台大会優勝という結果につながりました。
次なる舞台は、全国の強豪が集うSHOESHINE GRAND PRIX決勝大会。
奥様から贈られた「やる前から負けることを考える人なんていないよ。」という言葉を胸に、
石川さんがどんな磨きを見せてくれるのか、今から楽しみです。
今回のインタビューは以上です。
次回のインタビューもお楽しみに。












