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【REDWING8173】”世紀末セッター”の意外な仕様違いとは?

FANS.浅草本店のYUMA.です。

本日は犬タグのREDWING 8173の修理事例をご紹介します。


8173は90年代に日本で企画された人気モデル。

当時のREDWINGでは、アイコンとして君臨していたオロラセット(定番の赤茶色のやつ)のみならず素材違いのアイリッシュセッター(今で言うクラシックモック)も生み出されていました。

それぞれのモデルに良さがあり、いまも根強いファンが多い印象です。

 

 

変わらぬスタイリングを守り続けるセッターシリーズですが、90年代後半から2000年代の一部のモデルでは少し仕様が異なっていることをご存じでしょうか?

仕様の違いは、見た目からは全くわからないソール内部に隠されています。

 


こちらはセッターのミッドソールまで分解した画像。
中央部分に白いシートが張り付いています。

これはフィラースポンジです
そう、通常のコルクではなくスポンジが入った個体もあるのです。

グッドイヤー製法において、インソール(中底)の下にはリブテープが設置されておりアウトソール(またはミッドソール)との間に空間があります。その空間を間埋めするとともにクッションの役割として詰め物をします。この詰め物のことをフィラーとよんでいます。

フィラーには主にコルク・革・スポンジ・フェルトなどを用います。
いずれも「柔らかさ」と「適度な弾力」のある素材なので、歩行を妨げません。

REDWINGではコルクを用いているモデルが大半ですが、たまにスポンジのフィラーを採用しているモデルと遭遇します。きっちり記録をつけているわけではないので定かではありませんが、体感でいうと98年から2000年前後が多い気がします。このことから、私はスポンジ入りの個体を「世紀末セッター」と呼んでいます。

コルクでもスポンジでも言えることですが、フィラーは痩せたり硬化したりで、ボロボロに崩れてしまってることもままあります。見えないだけで着用による傷みが出やすいパーツなのです。

 

(90年代RWの中底とコルク。パサパサ&ポロポロになってしまっている)

 

そのため、ビンテージ予備軍になりつつある90年代のセッターは、アウトソールの交換だけではなくフィラーから全交換することをおすすめしています。

 

ちなみに当店ではフィラーにコルクを使っています。
中底のフットプリント(ご自身に馴染んだ足型)は残りますのでご安心ください。

皆様のご依頼をお待ちしております。

 

 


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