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ブラッシングの勘どころ

皆さま、こんにちは。
「次は君の番だからね」とバトンを渡された第2回「マイスターテクニック」をふわふわHがお送りしたいと思います。
記念すべき第1回目は「アニリン話」。
なんとも彼らしい内容になっており、アニリン信者ではない私でも私靴に使ってみたくなりました。
何と言っても、履き始めの一歩から、完成への道を歩むわけです。
そう、終わりなき旅とでも言いましょうか。エイジングに「終着地点」はありません。
ひたすら歩むのみ。履き主との向き合い、対話が必要となります。

……彼の話を掘り下げていて、第2回が終わってしまいそうなのでこの辺で振り返りは終わりたいと思います。
よければ第一回、ご覧ください

さて、本題に入って参りますが、マイスターテクニックという名前が名前だけに、レオ氏にも「つまらないのは書かないでね」とハッパをかけられております。
そんなとき、課題となる「テクニック」について少し考えてみると、思いついたのが「ブラシの掛け方」でした。

 

 

ブラシのかけ方?となりそうですが、個人的には靴磨きで1、2を争う大切なことだと思ってます(もう1つは汚れ落とし)。

ただブラシを掛けると言いましてもイメージが湧きにくいと思いますので、言い変えてみると「ブラシの使い方」とでもなるのでしょうか。
クリームを皮革に塗布し、伸ばしたあと素早くブラシを掛ける。一連の流れの中で、お伝えしたいことは「ブラシの掛ける方向と角度」。
ブラシを持ってかけるとき、最初から最後までブラシ(毛)を100%使用してブラッシングすることが重要です。
当たり前のことを言っていますが、結構ブラシを掛ける時に頭(先端)を横に振るような形で使用したり、靴とブラシが平行になっておらず斜めになってしまい、毛の70%くらいしか使用しないでブラッシングをしている姿をたまに拝見します。
土踏まずなど部分的な時はOKとして、基本的にブラシの毛を100%使用してブラッシングすることをお勧めします。

 

 

そして、ブラシをかける方向。
ペネトレィトブラシで塗ったり、コットンで塗ったりしますが、靴は立体的。コバ周り、飾り穴など指が入らない部分が多いので、やっぱりペネトレィトブラシを使用することをお勧めします。

 

そして、クリームを伸ばしたときによく見ると塗った「塗りあと、塗り方向」が存在します。
例えばボールジョイントから爪先にかけて流れるように塗った場合。
カウンター辺りで履き口からヒールに向けて縦に塗った場合など。
「塗りあと、塗り方向」に注目するわけです。

 

 

ブラシをかけるとき、基本的にはかかとから爪先にかけて横にブラッシングすることが多いと思います。
その方向をペネトレィトブラシで塗った方向と逆になる方向にブラシをかけてほしいのです。
言葉だと難しいですが
例えば塗り跡が↓↑の場合は→←にかけます。そうなると、かかとから爪先に向けて塗り方向が→←の場合は↑↓にブラシをかけます。

ペネトレイトで塗った方向と逆にブラッシングをかける、という事がポイント。

大きな理由としては同じ流れに沿ってブラッシングをかけるとブラシ跡がそのまま残る可能性が高くなります。
特に着色力やツヤが出るクリームは残りやすいです。
塗った方向と反する方にブラシをかける事でより全体にクリームが馴染みムラのない均一な仕上がりとなります。

 

 

革靴のポテンシャルを引き上げてくれるのは乳化性のクリームです。
そして主役は革です。どんなに高級な、珍しい革を使用した靴でも、メンテナンス次第では天と地の差が生まれることになるでしょう。
基本的な事ですし、派手さはありませんが、私が靴を磨くときに必ず気にして行っている方法です。
誰でも行う事だからこそ、こだわりを持って行っています。

ぜひお試し下さい。

次回更新は 1/23(火)を予定していますのでお楽しみに。



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